HQトリビアで職場に一体感?

HQ trivia(HQトリビア)というゲームをご存知だろうか。

2017年8月、米国の動画アプリVineの創設者Rus Ysupov氏らが立ち上げたゲームアプリだ。

このゲームアプリは現在全米で大人気となり、かつて社会現象となったポケモンゴーさながらのヒットとなっている。

巷にゲームアプリは溢れているが、このゲームの特徴は、LIVEでユーザー参加型のクイズゲームであり、コメディアンのScott Rogowsky氏が毎日、東部時間の15時と21時に生出演しクイズショーさながらの臨場感で司会を務めること、そして12問全部を正解した参加者には賞金が人数分に割り与えられることだ。

Rogowsky氏はこのゲームがヒットした理由を、昔からある雑学クイズの親しみやすさと、賞金と考えている。日本でも大流行した「クイズミリオネア」のような形式をオンラインで行っているのだ。

創設者のYusupov氏は、vineを立ち上げた後ツイッター社で働いた経験がある。つまり彼はLiveでのやり取りを肌で知っている。そのため、彼はクイズは1日に二度、決まった時間にしか行わないことを決めた。いつでも出来るのではなく、15時と21時、そして15分間しかできないことを付加価値にした。

職場でその場にいる人間が息抜きのために仕事を中断し、みんなでHQに参加するのだ。どんな問題が出たか、その答えから会話が広がり、それが職場の結束にも繋がっているというのだから驚きだ。参加者が何百万人にも広がった今では、5万ドルの賞金をシェアすると一人20セントにも満たないことが多い。しかし全問正解者は一様に満面の笑みだ。金額は後で知るが、それは問題ではないと言う。娯楽とそれを楽しんだ達成感、そして周りもそれを知っているだけに、名誉もあるようだ。

マーケティングの専門家は、「ミレニアル世代を15分間集中させるのは至難の技」と言う。

課題もある。

問題が出題されてから10秒間の間にインターネットで答えを検索し、正解を手に入れるというものだ。カンニングのようなものだが、罰する手段はないし、それを不正とも言い切れない。また、現在は広告収入はないが、もし導入するなら、より良いサービスや高い賞金が提供できるようになると見込まれるが、その反面、画面が見づらくなったり、新たな悪行が発生するかもしれない。

より良い形を求めてまだ模索中の段階だが、流行り廃りが激しい世界。今、これによって職場のコミュニケーションが円滑になったり、頭のエクササイズになるというのであれば、それだけで大きな収穫だ。日本で、15時に皆がデスクを離れて集まって、和気藹々とこのクイズを楽しむというのは、想像出来ないが。